人と関わることがとても苦手なKさん。
ご両親が、ご健在の頃は、親御さんが一生懸命、力になっていたんだと思います。
今よりも、そういった方々に対する支援は少なかったでしょうし。
Kさんは、姉と2人暮らしだった。
お姉さんも、Kさんの事を懸命に面倒を見ていたと思います。
お姉さんは、某銀行で定年まで働きました。
お金はたくさんあるでしょう。
しかし、お姉さんがガンを発症。あっという間に亡くなってしまいました。
Kさんは、姉が亡くなった事をどこまで理解しているかはわかりません。
葬儀には、出席しませんでした。
遺骨は自宅に置いたまま。
Kさんには、妹がいます。3人姉妹でした。妹さんは、国際結婚をし日本にはいませんが、連絡をとることはでき、Kさんの事をとても心配していました、
誰かの手助けがなければ、自宅での生活はままならない。
しかし、Kさんは、人の介入に関しては拒否が強い。
その結果、食べるものもなくなり激痩せ。
福祉の手が、入ることになります。
生きる こと。
いや、死なせない。ことなのか、
精神科医師、精神科専門看護師、そして、我々介護保険での対応となる。
医療に関しては、本人からの拒否が続き、血圧すらも測れない。安否確認になっているが、
ドクターも、看護師さん達も、どんなに罵倒されても本人との関わりは、続けて下さっている。
食料確保に関しては、ヘルパーさんにお願いすることはKさんは、わかっている。
毎回、ものすごい量の食料品購入依頼。まるで、これまで食べないでいたことを、体力を、取り戻すかのようやに、食べる量は半端ない。
みるみるうちに、体力は回復した。
そうなると、これまで力を貸してくれた人に対して攻撃が始まる。
これは、想定内。
「あなたは、だれの許可を得てこの家に勝手に入ってきているの?」
「帰って下さい。」
「頼んでません。」
「とっくに、解任していますので」
「警察に連絡しますよ」
等々。
関わる全ての人達に、こんな風に、感情をぶつけてくる。
亡くなったご両親、お姉さん、沢山のお金を残して逝っている。しかし、そのお金を本人が、動かすことができない。
キャッシュカードも、印鑑もわからないため引き出しができない。
あれやこれやと検討した結果
成年後見制度の手続きをすることになった。
後見人が見つかるまで、半年はかかる。
それまでのお金。
海外で生活をしている妹さんが、立て替えることになった。
妹さんから、何度もお金を送っている。
妹さんから何度電話をしても何度手紙を書いても音信不通の状態が続き、妹さんの心に限界がきてしまった。
妹さんから、我々に届いたメール
(内容は以下の通り)
「私(Kさんの妹)から、何度も何度も電話をしても、何通も手紙を書いても、一方通行。
Kにとって必要なのはお金だけ。
私が知っているKは、もういない。」
この送金で、これ以降関わりたくありません。」
と。
妹さんとしたら、Kさんの声が聞ける。また姉妹としての期待が大きかっただけに、落胆も大きかったのかもしれない。
残された頼みの綱である妹さんの、
気持ちが離れていく中、
我々は、どうやって、Kさんに関わり
生きること。を継続してもらうか。
何度も何度も、振り払われる 『手』
時に、この手は、本当にいらないのかも。とまで思ってしまうほと、心折れそうになる。
でも、我々がその手を離したら、
Kさんは生きてはいけない。。。。。