Yさんごご夫婦
夫が動けなくなった。
診断名:脊柱管狭窄床の悪化。
歩くことができない。
介護保険での対応依頼となり、私がケアマネージャーとして関わることとなる。
大至急、介護ベッドを導入した。
トイレにも行かれなくなったため、入院を希望したが、入院先より、
「入院するほどのことではない。」との診断だった。
Yさん夫としては、「手術はしない!!」との意向だったことも入院対象とならない要因の一つだったのかもしれません。Yさん妻が、夫の介護をすることは身体的に難しい(妻は、両膝・両股関節は、人工関節のOPEをしていることで、歩行、移動はかなり不安定な状況だからです)
そのため、社会的入院の調整をとってもらうも、結局は、自宅療養ということとなりました。
Yさん妻は、不安定な歩行状態の中、Yさん夫の介護・協力はしていた。
夫は、服薬にて、痛みのコントロールをしながら、動けなくなってから約2週間程度で起き上がれるようにまで回復した。
奥さんは、ご主人の食事はもとより、尿瓶の尿はき等、できることは協力をしていました。
状態の悪いYさん夫は、だいぶ弱気になって、奥さんを頼っていました。
しかし、
2週間が経過し、徐々に元気になってくると、やはり、Yさん妻に対して、これまで通りの態度に戻っていました。
妻に対しての言動も以前のように戻っていました。
「お前は、馬鹿なんだから」
「お前は、食事をしっかりと作れ」
「部屋を片付けろ」etc・・・・
まー、なんというか・・・・「モラハラ」です。
Yさん夫婦の娘さんは、母の気持ちを知ってか知らずか・・・。あまり自宅には戻ってきている様子は見られませんでした。娘さんは、結婚後、再度大学へ通い始め、自分の夢を叶えるため、勉強をしているとのことでした。
Yさん夫の状態が安定してきたある日。
Yさん妻から、ケアマネジャーへ電話連絡が入りました。
Yさん妻「お父さんが、掃除をしろ!!って怒って、私の部屋に、モノを投げ込んできている」と。
すぐに、ケアマネジャーが自宅へ向かうこととなります。
Yさん夫は、一目で怒っているんだとわかりました。
Yさん夫の言い分はこうでした。
「こいつ(Yさん妻)は、何もしない。片付けすらできない。捨てるものがいっぱいあるのに、捨てないで全部取っといて、ゴミだらけ。部屋も汚い。掃除ができない」とのことだった。
Yさん妻 「お父さんはゴミだっていうけど、これは必要なもので・・・。」
Yさん夫 「何が必要なモノなんだ!! こんなゴミばっかり集めて」
ということで、掃除のお手伝いができるヘルパーさんの提案を行い、導入をする運びにしました。
Yさん妻は、長時間の立位ができず、何かを持っての移動はできない。
Yさん夫 「ヘルパーさんがやらなければ掃除もできないのかよ!! 勝手にしろ。俺は金は払わないからな」
ということで、ヘルパーさんの導入に関して、「夫の条件付き」ではありましたが、ようやく導入の運びとなったのです。
夫の条件は、
「ヘルパーさんが訪問する時間は、夫自身がデイサービスへ行っている時間。」
でした。
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このような状況の中、新型コロナウイルス感染拡大となり、娘さんの行き来は全くなくなり・・・。
Yさん夫婦自体、現状維持はできていました。
しかし、
Yさん妻 の人工股関節の状態は徐々に悪化へ進んでいたのです。
新型コロナウイルス感染拡大が収まり始め、緊急事態宣言が解除された矢先・・・・。
Yさん妻 の
人工股関節が外れてしまうことに。
↩️
つづく