人とのかかわりを、得意としない人がいる。
我々にははかりしれないほどの「恐怖」といつも戦っている人がいる。
人が怖い。誰かに狙われている。
🍀「統合失調症」の診断がついている Kさん。
子供の頃は、母が。 母が他界して以降は、Kさんの姉が、Kさんの生活を必死で支えてきたと思う。
家族で、Kさんを守ってきたんだと思う。
我々が、関わるきっかけとなったのは、民生委員さんからの連絡だった。
高齢となった姉妹二人暮らし。どうやら、妹さんには、統合失調症の既往がある。
相談にのって欲しいとの連絡となった。
自宅は駅から数分の3階建て。綺麗な外観。建て直したばかりの家。
現在、妹であるKさんが、一人で生活をしている。姉は、数ヶ月前に他界してしまった。
Kさんは、統合失調症のため、他者とのかかわりをともて嫌がる。
「もう、来ないでください。かかわらなくていいです。大丈夫です。」
我々が、伺っても、何度も、何度も、手を差し伸べても、その手は振り払われます。
「支援拒否・困難ケース」として、地域包括支援センター・保健センター・社会福祉協議会・ケアマネージャー等で話合いをし、どのような支援・方向性をもって対応をするか検討をしていた。
Kさんには妹がいる。しかし妹はアメリカに在住。新型コロナウイルス感染拡大のため、日本に帰ることは今はできない。
もう一人、血のつながりがある親族がいる。Kさんのいとこにあたる女性。
しかし、このいとこさんは、家庭の事情で4月以降は関われないと言っていた。
関われないけど、状況は教えて欲しい。というスタンス。
支援拒否が強く、ケアマネージャーとしてのかかわりは、正直厳しい。
そのため、地域包括支援センターが行っている、「見守り訪問」に委ねることになった。
いとこさんから「鍵」を預かり、「キーボックス」で管理。週1回程度の訪問にて安否確認を行っていた。
地域包括支援センター職員さんが、今週(月) 「見守り訪問」で訪れた際、Kさんが意識混濁となっていたため、救急車を要請。
しかし、救急車内で、搬送先の問い合わせをかけている間に、Kさんの意識が回復。
Kさんより、その場で救急搬送「拒否」となり、自宅に戻ることとなってしまう。
昨日、地域包括支援センター職員と、ケアマネージャー2人で自宅へ伺った。
Kさんより「来ないでください。大丈夫です。入らないでいいです」との返答となる。
返答はしっかりとあり、前日よりはっきりとした返答もしているため、食べられるものの差し入れを行、退室をした。この状態を、いとこさんへ連絡する。いとこさんより、「明日、K宅へ夕方いきます」とのお返事となったため、
本日、ケアマネージャーと、社会福祉協議会の方と二人で伺い、いとこさんと待ち合わせをし、Kさん宅を訪問した。
Kさん宅に入る。Kさんは、ベッドの上で寝ている。呼吸はしているが、声かけに反応なし。
痩せ細った体は、本当に弱々しい。肋骨・骨盤が浮き出ている。
救急車を要請。再度救急搬送を試みた。幸い受け入れ先の病院が見つかり、いとこさんが救急車に同乗し搬送された。
ひとまず、私たち支援側としては、どこかほっとしていた。入院治療を行い、そのまま精神科に繋げたらと。
救急搬送後、4時間が経過した。
地域包括支援センターの方から、ケアマネジャーの個人携帯にラインが入ってきた。
内容は以下の通り。
「Kさん、搬送先の病院で精密検査を行ったところ、血液検査等異常なし。頭部CT等も問題なし。治療をする必要性は見当たらないため、入院はせずに帰宅となった」との連絡だった。
「えぇぇぇぇぇ。マジっすかーーーー🌀」
治療がなければ、当然入院はできない。
結構、人の体って頑丈に出来ているものです。あれだけ痩せ細った状態でも、内臓等には異常はみられないとは・・・・・。
明日、状態確認のため、再度訪問をすることとなった。
精神疾患を持った家族がいる場合、どうしても、家族内で何とかしようとする傾向が強い。
特に昔は、そういった感覚が強かったんだと思われる。病院へ受診を続けていられるならいい方です。状態が悪くなればなるほど、受診はできなくなる。なぜなら外出をする事ができなくなるから。
新型コロナ感染拡大という、思わぬ弊害もあり、ますます受診へのあしは遠のくこととなり・・・。
1年以上、受診をしていない事から、それまで精神科受診をしていた大学病院からは、救急搬送受け入れは断られてしまった。
当然、訪問診療導入もトライしましたが、Kさんが、Drを受け入れませんでした。
本人の意思による「拒絶」
本人が、正常な判断ができるのかどうかは、医師による診断書をもって、裁判所が判断をする。
受け入れる権利も有れば、拒否をする権利もある。本人が望まない治療に関しては拒否ができる。
その権利と、命を天秤にかけた時、どちらを優先するか。
第三者である、我々は、瀬戸際にならないと、どうにもできないことがある。
命をとるか、本人の意思をとるか。
Kさんは、少し合わない間に、グッと痩せていた。
食べる気力も、生きる気力もなくなっていたのかもしれない。Kさんの本意は、もしかしたら「このまま・・・・」 そうしたかったのかもしれない。
我々は、一体、どうしたらよかったのだろう。
人は一人では生きていけない。生きるって生きていくって、本当に試練なんだ。
今日は、心なしか、帰り道の自転車をこぐペダルが重く感じた。
ちょっと、疲れたから今日は、もう寝よーっと。
明日、太陽のエネルギーを浴びて、エネルギー充電だー🚴♀️💨。